死んだふりしたヘイハチをみて本気で悲しむゴロさん

リクエスト@樹氷光輝様




まさか。


まさかまさか。


年始にこのような話は聞いたことがあるが、まさか。





「ヘイさん!しっかりしろ!!死ぬな、死ぬんじゃない!!」

「ゴ、ゴロさん・・・私はもう駄目です…こんな所で逝くのは無念ですが、仕方がありません」

「確かに無念だとは思うが、気を確り持て!」

「ゴロさん、お別れです…」

「ヘイハチ!!」




ガラリ。


扉が開いて、呆れ顔のヒチロージが盥に手ぬぐいを入れて入ってきた。

そして、寝転ぶヘイハチを起こし、背中を思いっきり叩く。

「げほ、げほげほっ…」

「何やってるんです。餅喉に詰まらせて死に掛けただなんて、恥ずかしくって他にいえませんからね!」

「シチさん、た、助かりました…」

「シチさんは、命の恩人だな!」

「ええ、全くです。ありがたやありがたや」

「某は本気で心配したぞ」

「やぁーん、ゴロさん。嬉しいっ!」

「ヘイさんっ!」

「あーっ、もう一生やってなさいよ!!」






END